肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®(PCV21)」のご案内
成人の肺炎と肺炎球菌
日本では、高齢者の市中肺炎の原因として肺炎球菌が重要な位置を占めることが知られています。肺炎球菌による肺炎は、
- 高齢の方
- 心臓・肺・腎臓の病気、糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方
- 免疫力が低下している方
では、入院や重症化、敗血症・髄膜炎など命に関わる状態につながることがあります。日本感染症学会などの合同委員会による最新の提言(第7版, 2025年)でも、65歳以上やハイリスクの成人における肺炎球菌ワクチン接種の重要性が強調されています。(感染症情報センター)
肺炎球菌ワクチンで期待できる予防効果
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌のうち重症化しやすい血清型(タイプ)に対する免疫をつけることで、
- 肺炎球菌による肺炎の発症
- 肺炎による入院
- 血流に菌が入る侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)
などを減らすことが、多くの研究で示されています。(感染症情報センター)
特に65歳以上では、ワクチン接種により肺炎による入院や侵襲性肺炎球菌感染症の発症が有意に減少することが報告されています。(感染症情報センター)
成人の肺炎球菌ワクチンの種類
現在、日本で成人に用いられる肺炎球菌ワクチンには大きく3つのタイプがあります。
- PPSV23(ニューモバックス® NP)
23種類の血清型を含むポリサッカライドワクチンで、2024年度以降、65歳の方と、60〜64歳で重い基礎疾患のある方を対象に定期接種として実施されています。(感染症情報センター) - PCV20(プレベナー20®)
20種類の血清型を含む結合型ワクチンで、今後、高齢者の定期接種での使用が予定されています。(感染症情報センター) - PCV21(キャップバックス®)<今回ご紹介のワクチン>
21種類の血清型を含む新しい結合型ワクチンで、2025年に高齢者およびハイリスク成人を対象として国内で承認されました。(感染症情報センター)
結合型ワクチン(PCV)は、免疫のつき方が安定しやすく、長期的な予防効果が期待できることが特徴です。(感染症情報センター)
新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®(PCV21)」について
キャップバックス®(PCV21)は、21価肺炎球菌結合型ワクチンです。
キャップバックス®(PCV21)の特徴
- 日本を含む各国で問題となっている血清型を幅広くカバーするよう設計されたワクチンです。(感染症情報センター)
- 既存のPCV20と比べても、追加の血清型(15A, 15C, 16F, 23A, 23B, 24F, 31, 35Bなど)を含み、小児ワクチンプログラムの影響で増えてきた血清型も対象としています。(感染症情報センター)
- 国内外の第Ⅲ相試験で、PCV20と同等の安全性・免疫原性が確認されています。(感染症情報センター)
キャップバックス®(PCV21)はどのような人に適しているか
- 65歳以上の方
- 19〜64歳で、心臓・肺・腎臓の病気、糖尿病、免疫不全などのハイリスクの方
- すでにPPSV23や他のPCV(PCV13/15/20)を接種したことがあるが、医師と相談のうえ、より広い血清型をカバーする結合型ワクチンを追加したい方(感染症情報センター)
各ワクチンとの接種間隔
肺炎球菌ワクチン
過去に肺炎球菌ワクチンを接種した方は、1年以上の接種間隔をおいて接種することが可能です。
肺炎球菌以外のワクチン
接種間隔に制限がありません。必要と認めた場合は同時接種が可能です。
※キャップバックス®は現在、任意接種(自費)として行われます。
キャップバックス®接種の流れ
-
ステップ1:対象となるかの確認
- 65歳以上の方
- 18〜64歳で、以下のような基礎疾患・リスクのある方
- 慢性の心疾患(心不全、虚血性心疾患など)
- 慢性の肺疾患(COPD、重症喘息など)
- 糖尿病
- 慢性肝疾患・腎疾患
- 免疫低下状態 など
-
ステップ2:これまでの肺炎球菌ワクチン接種歴の確認
- ニューモバックス®(PPSV23)を受けたことがあるか
- プレベナー13®/バクニュバンス®(PCV13/15)/プレベナー20®(PCV20)を受けたことがあるか
- 最後に接種してからどのくらい期間が空いているか
-
ステップ3:医師によるワクチンの組み合わせ・タイミングの判断
日本感染症学会などの合同委員会の「考え方(第7版)」では、
- 定期接種(主にPPSV23/今後PCV20)を確実に行うこと
- そのうえで、ハイリスクの方では結合型ワクチン(PCV15/20/21)を組み合わせてライフコース全体で肺炎球菌感染症を予防するという考え方が示されています。(感染症情報センター)
当院では、この考え方に沿い、
- 年齢
- 基礎疾患
- 過去のワクチン接種歴
を確認したうえで、キャップバックス®が適切かどうかを個別に判断いたします。
-
ステップ4:接種実施
- 当院で接種日時を予約
- 当日、体調確認・問診のうえで接種を行います
- 接種後は、院内で一定時間様子を見てからご帰宅いただきます
当院でのキャップバックス®(PCV21)接種について
接種費用
- キャップバックス®(PCV21) 1回接種:税込 16,500円
※任意接種(自費)となります。
※自治体の定期接種(PPSV23など)の助成とは別枠です。両方を組み合わせたい場合はご相談ください。
接種方法・予約
- 当院は時間帯予約制です。
- 肺炎球菌ワクチン単独、あるいはインフルエンザワクチン等との接種間隔についても、診察時に医師が個別にご説明いたします。
高齢者・基礎疾患のある方へ
- 肺炎は、ワクチンで予防できる病気の一つです。
- 日本のデータでも、肺炎球菌ワクチン接種により、肺炎による入院や侵襲性肺炎球菌感染症が減少していることが示されています。(感染症情報センター)
「まだ肺炎球菌ワクチンを受けたことがない」「昔受けたけれど内容を覚えていない」という方も、一度お気軽にご相談ください。
