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ショパン国際ピアノコンクール2021年のピアノについて

[2021.10.14]

ショパンコンクールも2次予選まで終わりました

ショパンコンクールも2次予選が終わりいよいよ3次予選、ファイナルへと続きます。
果たして日本人は何人ファイナルへ残るのか、日本人初優勝があるのか、“かてぃん”はファイナルへ残るのか、など興味はつきないところです。

私も大変興味があるところですが、私以外の多くの方々(例えばこちら や こちら )がコメントをしておりますし、すべての参加者の演奏をチェックできているわけではないので、ここではショパンコンクールで使用されているピアノについて独断と偏見でコメントしたいと思います。私はピアノを全く弾けませんので、あくまでも聴き手としての感想です。

今回使用されたピアノについて


今回のショパンコンクールは公式ピアノがスタインウェイとヤマハと聞いていましたが、蓋を開けてみると?前回と同じように、カワイ、ファツィオリもしっかりと選ばれていました。スタインウェイは2台、ヤマハ、カワイ、ファツィオリはそれぞれ1台です。
スタインウェイの2台はハンブルグ製とニューヨーク製と思っていましたが、2台ともハンブルグ製のようで製造番号から479と300と呼ばれていました。ヤマハはCFX、カワイはShigeru Kawai-EX、ファツィオリはF278というモデルです。

当初は、最初選んだ楽器を最後まで弾くという規則があったようですが、それは撤回されているようです。よって今スタインウェイを弾いているコンテスタントもヤマハで弾く可能性は一応あります。

さて、今回は予選参加者87名のうち、スタインウェイ479を43名、300を21名、ヤマハは9名、カワイは6名、ファツィオリは8名選んだようです。
くわしくはこちらを参照

前回のヤマハは予選参加者78名中36名が選んでおり、スタインウェイを凌ぐ人気でしたが、今回は圧倒的にスタインウェイを選んだ奏者が多かったようです。スタインウェイの2台は1台はコンクール会場が所有するもので、もう1台はショパン研究所が所有するものだそうです。会場に最も適した調整がされているということで選ばれる人がおおいのかもしれません。また、コンサートホールのピアノはほとんどがスタインウェイを採用していますのでやはり弾きなれているということもあるのではないでしょうか?奏者は音だけでなくて、恐らく弾きやすさも重視する可能性があります。

これまでの予選の演奏からそれぞれのピアノについて印象を述べていきたいと思います。

スタインウェイ

まずはスタインウェイ479
こちらは今回の参加者で最も人気があったピアノです。
まさにピアノの王者というのに相応しい音だと感じました。スタインウェイの高音のキラキラした音、そして低音の豊かな響きはほかのメーカを寄せ付けないすばらしい音です。
スタインウェイの音の素晴らしさはキラキラした高音でも決してうるさすぎないこと、そして様々なキャラクターの音が出せることだと思います。

HAO RAOさんの演奏です。唯一残った中国のコンテスタントです。彼はまだ17歳ながら実に余裕をもってショパンを弾いています。力強さがありながら、丁寧で解釈も正統派です。美しいスタインウェイの音が楽しめます。

こちらは我らが?反田恭平さんの演奏です。反田さんの演奏は本当に変幻自在。ピアノ界の高橋大輔といったところでしょうか?表現については好みが分かれるところだと思いますが、音は本当に美しくて魅力的です。また、様々なキャラクターの音が出せるのもスタインウェイを弾きこなしている反田さんならではです。

こちらはYouTuberとして有名なかてぃんこと角野隼人さんの演奏。
479と比べるとやや素朴な音に感じます。
300を選んだほかのコンテスタントの中には若干高音の鳴りが悪いように感じる演奏がありました。これはマイクを通した音なので会場でどのように聞こえたのかはちょっと分かりません。

ヤマハ

つづいてヤマハです。ヤマハは今回2次予選で全員落選してしまいました。とくに日本で人気の牛田智大さんの落選は衝撃的でした。ヤマハはスタインウェイと比べると高音のキラキラした音はないものの、低音から高音までの一定した音質と明るい音色が特徴です。

私も彼はファイナルにいくと思っていましたので、大変驚きました。彼の演奏はとても正統派の弾き方です。また、ヤマハのバランスの良い響きも楽しめるものとなっています。

こちらは今回私は初めて拝見した京増修史さんの演奏です。京増さんの演奏もとても丁寧でピアノの良さを引き出したいい演奏だったと思います。ヤマハの高音から低音までバランスよく鳴る楽器の特性が出ていますね。

カワイ


前回は3次予選で消えたカワイですが、今回は3名3次予選に残っています。Shigeru Kawaiの音はスタインウェイやヤマハのような派手さはありませんが、優しくて温かみのある音色が特徴です。

カナダのJ J JUN LI BUIさんの演奏です。今回のカワイはとても可愛らしい(しゃれではありません)響きですね。J J JUN LI BUIさんはカワイの優しい響きにとてもあった弾き方をしていますね。

ファツィオリ

最後にファツィオリです。前回は1台しか選ばれませんでしたので今回は大躍進と言えると思います。ファツィオリはイタリアメーカーなので甘い音色を期待するところですが、むしろ硬質で現代的な響きがするように思います。

LEONORA ARMELLINIさんの演奏は女性ながらパワフルな演奏ですね。彼女はイタリア人なのでファツィオリを選んだのかもしれません。

コンクールのピアノはF1の車のようです


いかがでしたでしょうか。皆さんは、どのメーカーが好みでしょうか?

ショパンコンクールは同じ会場で、同じショパンを弾くので楽器による違いがとても分かりやすい場になっていると思います。もちろん厳密には奏者が違うし、同じ曲を弾いているわけでもないので、ピアノによる違いなのか奏者による違いなのかがはっきりとしないところもあって、またそこが何とも言えずいいところなのだと思います。

街中にはいろいろなピアノがありますが、コンクールのピアノの音は別次元の音ですね。コンクールのピアノは車で例えるとF1です。スタインウェイやファツィオリはF1でいうとメルセデスやフェラーリ。ヤマハやカワイはF1でいうとホンダでしょうか?メルセデスベンツやフェラーリは市販車としても高級車しか販売していませんが、ホンダは大衆車も販売しています。ホンダがF1で頑張っているように、大衆的なピアノメーカーが高級ピアノメーカーを凌ぐピアノを作ることができたらなんだか楽しいですね。

予想はしてはいけないのですが、優勝者はスタインウェイ479から出るような気がしています。まあ、圧倒的に選んでいる人が多いですし、実績がありますから。ただ、個人的にはShigeru Kawaiにも頑張ってほしいところです。J J JUN LI BUIさんのような優しいコロコロとした音もとても好みなのです。ただ、Shigeru Kawai を予選で選んだコンテスタントもファイナルへ進んだら前回のKate LiuやEric Luが3次予選までヤマハでいったのに、ファイナルでスタインウェイに変更したように、スタインウェイへ変更するということも十分あります。オーケストラとの演奏となるとまた単独のピアノとは違った難しさがあると思います。そういった意味では純粋にピアノの音だけを楽しむのは3次予選までになるかもしれません。

いずれにせよ3次、ファイナルと残った人たちは全力で力を出し切ってほしいです。

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