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クリニックの待ち時間について

[2020.07.05]

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、あらゆる場所で密にならない工夫が求められています。当院でも患者様が密集しないように少しずつ工夫をしています。
当院では開院当初から「時間帯予約」というシステムを採用して患者様の予約の受付をしていますが緊急事態宣言が4月に発令されてからはこの運用を徹底させています。
今回のブログでは当院で採用している「時間帯予約」について説明いたします。「時間帯予約」についてご理解いただき、ご協力をいただければ幸いです。

病院・クリニックへの不満の一番は待ち時間について

以前勤務していた東大病院では患者様からのクレームが毎月毎月院内の掲示板へ掲載されており、職員はこれを閲覧することができました。
詳細は忘れましたが、クレームを受けた診療科やその内容、例えば「待ち時間」「医師の診療態度」など様々な項目に分類されており、問題に発展した事例についてはその詳細が記載されておりました。私はこの掲示板に興味があってしばしば目を通していたのですが、そのクレームの8-9割くらいが「待ち時間」についてでした。

本当に毎月毎月同じようなクレームで「〇〇時間待たされた」などのクレームが延々と並べられておりました。とくに眼科では待ち時間のクレームが半端なく多く、これは患者数がとても多かったからだと思います。当時私が眼科の先生に用事があって、眼科の外来を訪ねた時には、そのフロアにずらーっと患者さんが座っていて驚いたものですが、さらに中待合室の中にいくとそれ以上の患者さんが椅子に座って待っており、それだけではなく、さらに診察スペースの中にも患者さんがずらりと並んでいて、その患者さんたちが(いったいいつまで待たせるんだ!)というような殺気立った目をしていてちょっと怖かったのを覚えています。

かように待ち時間というものは患者さんたちの不満に直結するものであるというのはよくよく理解しているつもりです。
もちろん開業するときに待ち時間が問題になるほどたくさんの患者さんが来るとは思っていませんでしたが、運悪く?同じ時間に患者さんが来た時に待たせてしまうかもしれないという懸念はありましたので一応予約システムというものを採用して開業をいたしました。

予約システムにはいくつかの種類があります

病院やクリニックで予約する方法としては大きく分けて2つの方法があります。
1つは順番予約
もう一つは時間予約というものです。


順番予約というのはその日の診療の順番を電話やインターネット、もしくは病院に直接行ってその日の順番を引いて、その順番になったら診察を受けるというものです。


時間予約というのは、電話やインターネットまたは前回受診したときに何月何日の10時からという具合に時間を予約するものです。

クリニックでは順番予約を採用していることが多いです

クリニックでは順番予約を採用していることが多いですね。私たちの子供が受診する皮膚科などは朝6時くらいから電話予約受付が開始されて、その日の順番を取ることができます。


うちと違って流行っている皮膚科などはちょっと遅れると恐ろしいくらいに遅い順番の受付になって、例えば105番などとなるといったいいつに受診となるか分かりません。
電話やネットで順番を確認しながらいよいよ順番近くになって受診するという具合です。あまりに遅くなってしまうとその日に別の用事が発生したりして、やむを得ずキャンセルの電話をしたりします。また、突然番号が飛んできてまだまだだと思っていたら診察時間となっていて電話がかかってきたり、慌ててクリニックで受付をすると嫌な顔をされたりします。


順番予約の利点は、公平性にあると思います。何しろ番号が振られていますので、その順番に診察をしていけば、たとえ待たせてしまったとしても順番を守っていますので患者側からクレームを言うことはできません。
一方で欠点はいくつもあります。大きな問題は、順番予約を取るため早い者勝ちになる点です。
以前近くの病院で受診しようとしたときに朝6時から整理券を配っているということで、その時間の10分ほど前に行ったところすでに常連の?患者さんが何人も並んでいてびっくりしたことを覚えています。
常連の患者さんは「やあこれでまた一眠りしてから行くわ」などと言って帰宅していきましたが、忙しい人たちがそのような順番予約を取ることはできません。
また、順番予約は時間が読めません。ゆっくりと診療が進めば遅いでしょうが、思いのほか早くなることもあります。
また、予約したのに突然前の人たちがキャンセルすると思ったより順番が大幅に早められるということもあります。


さらに急に受診しようとした場合にはその時に予約できる最後の順番になるということになります。すぐ診てもらいたいのに基本的にはすぐには診てもらえないというのはあまりいいシステムではありません。
順番予約というのは多くの人々に公平なシステムということ以外にあまり利点がありません。

時間優先予約は大病院で採用されています

時間優先予約は多くの大病院で採用されているシステムです。
私も病院勤務医時代はほぼこの時間優先予約というシステムを使っていました。


例えば何月何日の10時から診察、10時半から診察のように予約をしてその時間で診療を行う方法です。
この予約のメリットは患者さんのほうで時間を読めるという点になります。

10時の予約であれば10時から、10時半からの予約であれば10時半の診療になりますので、順番予約のように早い者勝ちで順番を取る必要もないし何時になるかその時にならないと分からないということもありません。

しかしながらこの予約方法の欠点は「時間通りに診療することができない」という点です。

例えば私は大学時代に午後から外来診療をしており、13時から午後の予約を受け付けていました。
すると例えば13時から13時半に3名の診療を行うとすると1人は13時からもう一人は13時10分から、もう一人は13時20分から診察となります。
一人目の13時からの人は時間通りでいいのですが、3人目は20分遅れで診療が始まったことになります。

しかしこれはもともと時間通りに問題なく診療ができているのです。もし、これが2人目の診療が長引いて、3人目の診療が13時40分からとなった場合、患者さんからすると40分も待ったことになるのです。

大学時代は実際にそのような苦情を言われることも多く、例えば13時30分に診療した患者さんに「今日は2時間待った」などと言われるのです。
まだ30分しかたっていないのに2時間も待った?というのは、13時からの診察のためにできるだけ早く受診できるように11時半には病院へ着いているそうで、だから2時間も待たされたということになるのです。

できるだけ待たされないためには午後一番に限るということになり、予約を取る時点で、どんなに患者さんが多くいても、「私は午後一番でお願いします」の一点張りで、譲らない患者さんばかりになってしまいます。

午後一番の患者さんばかりになると実際に時間通りに診ることができるのは最初の一人ということになり、後の人には全員「お待たせしてすみません」と謝らなくてはいけなくなります。

当院の予約は「時間帯予約」です

当院は「時間帯予約」を採用しています。時間帯この帯という字が重要です。
当院で予約をした場合に、例えば10時から10時半という30分間の時間帯を示されます。
これは10時から診察をするということではありません10時から10時半の30分間の間に診察するということです。

例えば10時から10時半の間に3人の患者さんの予約を取った場合、10時から一人診て、10時10分から2人目、10時20分から3人目という具合です。

10時から診るわけではないということを皆様にご理解いただきたいと思っています。30分の枠の中では受付をした順で診察をします。


時間帯予約のメリットは、患者さんにとっては診察時間の目安がたてられるということです。

また、急に受診を希望した場合、順番予約では一番最後にまわされますが、時間帯予約では例えば、「10時から10時半の枠はいっぱい」であっても、次の「10時半から11時の枠では余裕がある」、その次の「11時から11時半の枠はまたいっぱい」になっている、ということが分かるので、「10時半から11時に来てください」とご案内することができます。

時間帯予約のメリットが発揮されるためには10時から10時半の予約を取った人の場合、だいたい9時55分くらいから10時10分くらいの間には受付をしていただきたいということです。

あまりに早く来ていただくことはお勧めしません。

例えば10時から10時半の予約のために9時半に受付をしますと、9時半から10時の人の診察を先に行います。9時半から10時までの時間の枠に余裕があれば、場合によっては急患の受付をして診療を行う場合もあります。

自分より後から来た予約をしていなかった人を先に診察しているのをみるのはあまり気持ちがいいものではないでしょう。

繰り返しになりますが、10時から10時半の時間帯予約をされた方は、9時55分から10時10分くらいの間に受付をしてください。10時から10時半の間に診察を開始します。

新型コロナウイルスの感染が続く今、皆様のご協力をお願いいたします

新型コロナウイルス感染症の流行に対して、密になることを避けるような工夫が必要となっています。

当院は開業1年を過ぎたばかりで、患者数も多くありません。

実際には待ち時間は多くはありませんが、時間帯によっては患者さんが集中することがあります。

受付してからお呼びするまでの平均時間は15分弱となっています。

平均15分ですので、おそらく0分から30分程度の間にお呼びすることがほとんどです。

できるだけ待ち時間を少なくするためには、皆様のご協力が必要です。

そのためには、


(1)時間帯予約の特性をご理解いただくこと
(2)かならず予約をしてから受診すること(緊急受診の際もお電話でいいので予約をしてください)
(3)予約した時間帯に受付をすること(早すぎる来院、遅すぎる来院を避けてください)


が大切です。


さらに待ち時間の短縮のため、WEB問診を採用いたしました。

できるだけこちらの問診にお答えの上に受診していただきますと、さらに待ち時間の短縮となります。

時々、受付をしたときに「今日は急いでいるので早めに診てほしい」とおっしゃる方がいらっしゃるのですが、その申し出には最大限考慮いたしますが、15-30分程度は待つということをご理解の上余裕をもって受診していただけると大変ありがたく思っています。

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