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スマートウォッチ

[2019.10.08]

スマートウォッチといえばApple Watchが有名ですが、現在ではその他のメーカーが様々なデザインや用途に合わせたモデルが販売されているようです。私の外来に来る患者様でスマートウォッチを持っている方も結構多いです。自分は残念ながら所持していないのですが、値段もかなり安いものからあるようですので、将来的には検討しようと思っています。

 

ところで今回スマートウォッチのことをお話するのはこの機械が診療に役立ったからです。患者様は40代の男性で、9月に入ってから動悸がするということでいらっしゃいました。動悸といっても脈が乱れているわけではなく「何となく脈が速い」というのです。念の為、心電図をとりましたが完全に正常で脈拍は70くらいでした。普通でしたらここで終わるところなのですが、その方のスマートウォッチの心拍数のトレンドをみると確かに9月に入ってから少しずつ脈拍が上昇してきているのが分かりました。ご本人は元気そうで、特別薬を内服していることもないので脈拍の上昇の説明がつきません。そこで念の為血液検査をしたところ、甲状腺機能亢進症ということが分かりました。一般的にこの心拍数で甲状腺機能亢進症を疑うことはなかなかないと思うのですが、スマートウォッチの心拍数のトレンドで検査することにしました。

日本発売のApple Watchではできないようですが、海外のApple Watchでは心電図を計測することも可能なようです。詳しくはこちらの記事を参照ください。その他のメーカーでも心電図測定が可能な機種は日本でも発売されています。現在のところ薬事は通っておりませんのでその結果で診断はできませんが、外来診察の一助になることは間違いありません。

当院では動悸の方、不整脈を疑われる方にホルター心電図を行っておりますが、ホルター心電図は基本的に24時間しか記録できません。

ホルター心電図をつけたけれどつけている時は不整脈がでなかったというのはこの世界での「あるある」ですが、そういった方の場合イベント心電図という手があります。イベント心電図は自分でつけたり外したりできるので、入浴するときなどに外していただいてそれ以外のときにつけていただければ、1週間ほどのデータを収集できます。当院で採用しているイベント心電図はこちらです。(イベント心電図は予約制となっております)

もし動悸など症状がある方だけでなく、スマートウォッチなどで不整脈を疑われた場合にはぜひご相談ください。

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