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ミニエッセイ #あしたのジョー

[2021.07.16]

(以下の文章は、記憶で書いているので間違いがあるかもしれませんのでご了承ください)

7月のクリニック通信では今月の言葉で「ほんの瞬間にせよ、眩しいほどに真っ赤に燃え上がるんだ。そして、後には真っ白な灰だけが残る。燃えカスなんて残りはしない。真っ白な灰だけだ」という「あしたのジョー」での矢吹丈の言葉を載せました。

クリニックの今月の言葉には全く相応しくないのですが、クリニック通信でちばてつやさんのことを書いていたらどうしても載せたくなってしまいました。

「あしたのジョー」での名言といえば最終巻の「燃え尽きたぜ...真っ白にな」が何といっても有名ですが、クリニック通信で採用した言葉は、それより以前に林屋の紀ちゃんとデート?をしたときに、紀ちゃんへ向かって言った言葉です。このシーンはとても印象的で自分にとってはとても好きな場面です。紀ちゃんが作ってくれたトマトサンドを「うめえ」といいながら食べたり、公園のブランコにのったり、街中をブラブラ歩きながら紀ちゃんとの会話で発せられた言葉です。

「あしたのジョー」の最後の場面はジョーが果たして生きているのか、死んでいるのか判断ができません。われわれ友達の間では死んでしまった説が有力でしたが私はジョーが死んでほしくありません。

今回ネットで色々調べたところ、ちばてつやさんは最後のシーンは読者に委ねるという判断だそうです。原作者の梶原一騎(高森朝雄)さんはすでに亡くなっていますが、原作は全く違ったようです。


激しく熾烈な攻防の末、僅差でホセに敗れたジョー。力尽きてリングサイドに座るジョーをなぐさめる段平。「おまえは試合には負けたが、ケンカには勝ったんだ」…と。
その後、白木邸のテラスで、ぼんやりとひざを抱えるジョーを優しい眼差しで見つめる葉子…。

これが原作です。実際の漫画とは全然違います。
この原作にちばてつやは反対します。どうしてもこの最後の場面に納得がいかなかったのです。代わりに探し出してきたのが「真っ白な灰に」という以前紀ちゃんとの会話での言葉なのです。そしてこの有名なラストシーンが生まれます。

「あしたのジョー」これだけでなく多くの情景が丁寧に描かれており、単なるスポーツ漫画とは全くちがうものとなっています。

それにしてもジョーはかっこいい。男の自分から見ても本当にかっこいい。
また、全巻読みたくなってきてしまいました。

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