メニュー

自宅での血圧測定について

[2021.02.15]

高血圧の診断と治療において自宅での血圧測定は非常に重要であると考えられます。自宅や会社での血圧と検診の時や診察室での血圧が大きく異なることは皆様もしばしば経験することだと思います。

今回自宅血圧測定法について述べたいと思います。

1. 血圧計について

市販されている血圧計は信頼できる企業から販売されているものであれば使用には問題ありません。高血圧と診断された方や血圧が気になる方はぜひ購入して使用していただきたいと思っています。

現在市販されている血圧計には、主に上腕カフ・オシロメトリック法に基づく方法と、手首にて測定を行うものがあります。上腕式の血圧計には、カフを自分で巻くタイプのものと、アームイン型とよばれる輪の中へ腕を入れるタイプのものがあります。

アームイン血圧計

高血圧学会では手首式はお勧めしておりません。私も基本的に上腕式のタイプをお勧めしています。手首式の血圧計は人によってはあまり正確に測定できないからです。


上腕式のタイプの中ではカフを自分で巻くものでもアームイン式でもどちらでもいいのですが、ある程度の高齢者にはアームイン式のものをお勧めしています。これは、高齢者では上手くカフをまくことができない人もいらっしゃるからです。

上腕式

2. 測定環境について

以下の環境で行ってください
(1) 静かで適切な室温
(2) 背もたれ付きの椅子にあしを組まないで1-2分の安静後
(3) 会話をかわさないこと
(4) 測定前に喫煙・飲酒・カフェインを摂取しない

以上の条件はすべて血圧に影響を与えます。例えば室温が下がる冬場では血管が収縮して血圧が上昇しますが、このような環境下での血圧測定は信頼性がありません。

3. 測定条件


(起床後)1時間以内
排尿後
内服前
朝食前
座位1-2分の安静後

座位1-2分の安静後

4.測定回数

原則としては2回測定してその平均をとることが求められています。
ただし十分安静にしたうえで1回の測定でも構いません。
1回ごとの血圧値が異なることは普通ですが、あまりに頻回の測定は推奨されていません。

5.目標の血圧(家庭血圧)

目標の過程血圧はそれぞれ個々によって異なります。
例えば、75歳未満では125/75以下が目標となりますが、75歳以上では135/85が目標となります。それ以外でも糖尿病や冠動脈疾患があると目標の家庭血圧が異なりますので、主治医に確認してください。

6.血圧手帳・アプリについて

かつては多くの製薬会社が血圧手帳を発行しており、クリニックや薬局で患者様へお渡ししておりました。最近では多くの会社で血圧手帳の発行をやめてしまいましたが、現在でも数社で血圧手帳を発行しているところがあり、クリニックや薬局でお渡しすることが可能です。血圧測定と記録は自分自身での血圧状況の把握のためにも、また主治医としても病状把握のために非常に重要な資料となりますので積極的に利用していただきたいものです。

また、スマホが普及した現在ではアプリによる血圧記録も有用です。オムロンをはじめとした多くの会社でアプリも提供しており是非こちらも積極的に使用してください。アプリでは朝や晩の平均血圧を計算したり服薬のリマインド機能もあるので便利です。

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME