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深部静脈血栓症/肺塞栓症(エコノミークラス症候群)

静脈は足先から心臓に向かって血液が流れます。下肢の静脈に血栓ができるとその下流の足にむくみが生じます。

足にできた血栓が心臓から肺に流れていくと、肺動脈に血栓がつまり肺動脈塞栓症と呼ばれる病気となります。肺塞栓症は呼吸困難が生じ、重症の場合に生命にかかわる事態となります。

飛行機で長時間旅行した後に突然の呼吸困難を起こすエコノミークラス症候群は、深部静脈血栓症から肺塞栓を引き起こしたものです。もちろん飛行機だけでなく、同じ姿勢で長時間動かないでいると同様の症状を引き起こします。2004年の新潟中越地震では被災した車中泊の方が肺塞栓で死亡するという痛ましい事例が多数認められ、車中泊と肺塞栓症の関連がにわかにクローズアップされました。

深部静脈血栓症/肺塞栓症を起こしやすい人は

深部静脈血栓症/肺塞栓症は高齢者、下肢の手術後、骨折等のけが、がん、肥満、経口避妊薬の使用、など様々な疾患で起こすことが知られています。

また、先天的な凝固異常により血栓ができやすいことが知られています。

深部静脈血栓症/肺塞栓症の検査について

深部静脈血栓症/肺塞栓症の検査は画像診断として下肢静脈エコー、造影CTなどを行います。また採血検査でD-ダイマーを測定します。D-ダイマーは感度が非常に高く(95%程度)、特異度は低い(68%)検査とされております。すなわち、D-ダイマーが低ければ深部静脈血栓症/肺塞栓症は否定できます。一方でD-ダイマーは血栓形成傾向を示す病態があれば、深部静脈血栓症でなくても高く出るため、Dダイマーが高くても深部静脈血栓症/肺塞栓症とは診断できません。

深部静脈血栓症/肺塞栓症の治療について

以前はヘパリンの点滴やワーファリンの内服などの治療が一般的でありましたが、近年ではDOACと呼ばれる直接経口抗凝固薬の投与が一般的になっております。病態によっては血栓溶解療法や酸素の投与、さらに重症の場合一時的に補助循環などを利用する場合もあります。深部静脈血栓症/肺塞栓症は命にかかわる病気ですから症状がありましたら早めに受診していただくことを強くおすすめします。

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