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生活習慣病

生活習慣病とは

生活習慣病は、食事、運動、喫煙、飲酒、睡眠などの日々の生活習慣が発症や進行に大きく関係する病気の総称です。代表的なものに糖尿病、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)、肥満症、がん、心疾患、脳血管疾患、脂肪肝・肝硬変、慢性腎不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などがあります。生活習慣の見直しで予防や重症化の防止が可能です。

糖尿病

糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが不足し、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。症状は初期にはほとんど自覚されませんが、進行すると「喉の渇き」「多飲」「頻尿」「体重減少」「疲れやすさ」などが見られます。また、高血糖が持続すると急激に意識障害が起こることもあります。

診断は主に血液検査で、空腹時血糖値、随時血糖値、HbA1c(過去1~2ヶ月間の平均血糖)などを測定します。空腹時血糖値が126mg/dL以上、食後2時間値が200mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上などが診断基準になります。また、尿検査や合併症の有無を調べる検査(眼底検査、腎機能検査、神経検査など)も行います。

治療は、まず正しい食事療法と適度な運動療法が中心です。これで血糖が十分に下がらない場合、内服薬またはインスリン注射による薬物療法が追加されます。最近は患者さんの状態に合わせて新しい薬剤も選択できるようになっています。治療を始めた後も、定期的に通院して血糖値や合併症の有無をチェックしながら、生活習慣の改善と薬の調整を続けていくことが大切です。

高血圧症

高血圧症は、血圧が慢性的に正常よりも高い状態が続く病気です。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると頭痛やめまい、動悸を感じることがあります。また、脳卒中や心筋梗塞といった深刻な合併症を引き起こすリスクが高まります。

診断は血圧計測で行われ、通常140/90mmHg以上が続く場合に高血圧と診断されます。必要に応じて腎機能や心臓の状態を調べる検査も行います。

治療は、まず塩分制限や減量、運動といった生活習慣改善が第一選択です。これで効果が十分でない場合、降圧薬などの薬物療法が用いられます。

脂質異常症(高脂血症)

この疾患は、血液中のコレステロールや中性脂肪の異常(高値)を特徴とします。症状はほとんど自覚されませんが、無治療で放置すると動脈硬化が進み、心疾患や脳卒中のリスクが高まります。

診断は血液検査で総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪などの値を調べます。

治療は食事や運動療法が基本で、必要に応じてコレステロール低下薬などを使います。

高尿酸血症・痛風

高尿酸血症は血液中の尿酸が多い状態で、痛風発作(主に足の親指の関節が赤く腫れて激しく痛む)を起こすことがあります。放置すると腎障害や尿路結石の原因にもなります。

診断は血清尿酸値の測定や関節の診察、場合によっては画像検査で行われます。

治療はプリン体摂取の制限やアルコール摂取制限、水分摂取の促進が基本です。尿酸値が下がらない場合は尿酸降下薬を使います。

肥満症

肥満症は体重や体脂肪率が異常に高い状態を指し、糖尿病や高血圧、心疾患などのリスクファクターになります。症状は体重増加、息切れ、疲れやすさなどです。

診断はBMIや体脂肪率の測定、さらに合併症の有無を血液検査などで調べます。

治療は食事や運動による減量が基本で、難治例や重度の合併症がある場合は薬物療法も検討されます。

脂肪肝・肝硬変

脂肪肝は肝臓に脂肪が多く蓄積した状態であり、多くは無症状ですが、進行すると黄疸や腹水、肝機能障害が現れます。

診断には超音波や血液検査、CTやMRIも用いられます。

治療は減量や禁酒、食事療法が中心です。重症例や肝炎を合併している場合は薬物治療が必要です。

生活習慣病の治療・予防の基本

生活習慣病はほとんどが初期症状に乏しいため、定期的な健康診断による早期発見が重要です。また、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、節酒、十分な睡眠といった生活習慣の改善が最も大切です。生活習慣の見直しだけで十分でない場合は薬物治療や医療介入が必要となることも多くあります。

 

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