不整脈
心臓には刺激伝導系と呼ばれる電線のようなものがあります。洞結節からでた電気が心筋内の電線を通って心臓全体にいきわたることで心臓は収縮します。
この刺激の伝わりが上手くいかなくなってしまうのが不整脈です。
不整脈の中には、この電線の伝わりが悪く脈が遅くなるものがあります。その場合、ペースメーカーを入れて心臓の収縮の補助を行う場合があります。
また、異常な回路をぐるぐる回るような不整脈があります。その場合には薬で不整脈を抑えたり、カテーテルアブレーションと呼ばれる治療が必要な場合があります。
非常に深刻な病気として心室細動という不整脈があります。これは一度起こすとそのまま死に至るような不整脈です。なかなか予防が難しいのですが、この不整脈を起こしやすい心電図としてブルガダ心電図というものがあります。これはある特徴的な心電図でこの心電図所見を認められると心室頻拍や心室細動を起こしやすいと言われております。この心電図は1000人に1人程度の頻度でみつかると言われており、健康診断でもしばしば指摘されます。指摘された全症例に不整脈が起こることはありませんが、これまで失神の既往があったり、家族に突然死の方がいた場合には要注意ですので、そのような方は一度専門的な診療が必要です。
不整脈はその原因や、形態、また心臓の収縮能などによって、対処法が違いますので、正しい診断が非常に大切です。診断には12誘導心電図の他、ホルター心電図や心臓超音波検査、また各種の血液検査が有効です。不整脈を指摘された方は是非一度ご増段ください。