睡眠時無呼吸症
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睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは睡眠中に呼吸が止まる病気です。睡眠中に呼吸が止まると、体に取り込まれる酸素の量が少なくなってさまざまな臓器に障害をもたらす上に、日中に眠くなり活動が低下するなど、社会生活にも影響を及ぼすようになります。また、最近では肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症など、の生活習慣病や、不整脈や心不全などの循環器疾患との深い関わりがあることが明らかになってきています。
日本で睡眠時無呼吸症がよく知られるようになったのは、2003年2月に起きたJR山陽新幹線ひかり126号居眠り運転事故と言われております。この事故は800名の乗客を乗せた新幹線が、運転士が眠ったまま時速270kmで8分間走行し、岡山駅100m手前でATC(automatic train control 自動列車制御装置)の作動により停車したというものでした。岡山駅で車掌が揺り起こすまで運転士は熟睡していたとのことで、後にこの運転士が睡眠時無呼吸症候群であることが分かったのです。
この事故から日本では睡眠時無呼吸症の問題は、タクシーやトラックの運転手、飛行機や船の操縦士など運転との関連で考えられることが多いのですが、実はそれだけではありません。仕事での大事な会議中や学校での授業中など、大事な時間であっても強い眠気に襲われたり、居眠りをしてしまったり、仕事や勉強への意欲が低下して、周囲からは「なまけもの」「だらしない人間」としてとらわれたり、認知機能の問題との関連も指摘されているのです。睡眠時無呼吸症候群(SAS)はまさに、社会的な問題となる病気なのです。