メニュー

ACC/AHA 2025高血圧ガイドライン

[2025.09.15]

ACC/AHA 2025高血圧ガイドラインが公開されています。

詳しくは下記のYouTubeを参考にしてください。

生成AIで下記にまとめましたのでご参考にしてください

[

背景

  • ACC/AHA 2025高血圧ガイドラインが公表(2017版の改訂)。

  • 血圧区分(正常/Elevated/Stage 1/Stage 2)は2017から変更なし

  • 家庭・外来の組合せで、持続高血圧/白衣高血圧/仮面高血圧(服薬なし)と、コントロール良好/不良/仮面性不良/白衣効果(服薬あり)を明確化。

  • 測定手技(カフェイン・運動・喫煙回避、排尿、検証済み機器、適切カフ、5分安静、会話禁止、2回以上測定し平均)は変更なし。

  • 初診検査(CBC、電解質、Cr/eGFR〔CKD-EPI 2021〕、脂質、糖代謝、TSH、尿検査・UACR/UPCR、ECG)も踏襲。

方法(今回“新規・改訂”の主な推奨)

  1. 二次性高血圧

    • 抵抗性高血圧では低K血症の有無に関わらず原発性アルドステロン症(PA)をスクリーニング推奨(Class I)

    • 初回スクリーニング時はMRA以外の多くの降圧薬を継続可(Class I)。境界/陰性でも疑い高ければ、非干渉薬へ2–4週置換して再検。

  2. 生活習慣・心理社会的介入

    • K塩置換(KCl含有の減塩塩)有用(Class IIa):家庭での食塩由来Na摂取が多い人ほど効果。CKDやK保持薬使用は注意。

    • 超越瞑想(TM)・呼吸法・ヨガ(Class IIb):BP低下は示唆されるが、効果はDASHや運動、減塩ほど強くない。

  3. 治療開始閾値・リスク評価

    • 140/90以上は一律に薬物療法開始(Class I)。

    • 臨床的CVDあり130/80以上で開始(Class I)。

    • CVDなしでも糖尿病・CKD・PREVENT 10年リスク≥7.5%は130/80以上で開始(Class I)。

    • 低リスク(<7.5%)のStage 13–6か月の生活介入後も130/80以上なら薬物開始(Class I)

    • 併用開始はStage 22剤単一配合を推奨(Class I)。Stage 1は単剤開始+段階的追加(Class I)。

  4. 合併症別

    • 糖尿病×高血圧CKD(eGFR<60)やA1≥30 mg/gならACE/ARB推奨(Class I)

    • CKD:ACE/ARBでCVD抑制・腎保護(短期eGFR 30%低下は許容)。

    • 脳出血(ICH):SBP 150–220なら即時に130–<140へ維持7日間が有用(Class IIa)、<130なら減薬。初期24時間は変動を小さく滑らかに管理(有用)。

    • 急性虚血性脳卒中(EVT後)<140への厳格降圧は害(Class III harm)

    • 認知症予防<130を目標(Class I)。

  5. 妊娠

    • 重症高血圧(SBP≥160 or DBP≥110)は30–60分以内に治療(ラベタロール/ヒドララジン/即放性ニフェジピン)。

    • 妊娠前~妊娠中の慢性高血圧は**<140/90**を目標。

    • 低用量アスピリンは子癇前症予防に推奨(Class I)。

    • 禁忌:アテノロール、ACE/ARB、DRI、MRA、ニトロプルシド等。

  6. 抵抗性高血圧/腎デナベーション(RDN)

    • 抵抗性高血圧:二次性精査・薬剤レビュー(NSAIDs、鼻充血薬、SNRI等)を強く推奨(Class I)

    • RDN多職種評価(Class I)ベネフィットとリスクを共有意思決定(Class I)。有効反応は60–70%程度、術後は腎動脈狭窄の監視が必要。

  7. 重症高血圧(旧“緊急症”用語整理)

    • 非妊娠・非脳卒中の入院患者臓器障害なし180/120超頓用降圧は推奨せず(Class III harm)。外来型の慎重な経口調整とモニタで。

結果

  • 血圧区分・測定・初診検査は維持。

  • 治療開始のリスク閾値PREVENT導入で精密化(130/80で開始する層の明確化)。

  • K塩置換TM/呼吸法が新規推奨。

  • ICH/EVT後のBP管理認知機能保護目標が具体化・格上げ。

  • 妊娠高血圧の急性対応・慢性管理・低用量ASAが明文化。

  • RDNはチーム評価と意思決定のClass Iに格上げ。

  • 重症高血圧の過剰治療明確に禁忌方向へ。

結果の解説

  • 誰に130/80で始めるかが明瞭になり、一次・二次予防の起点がブレにくい。

  • 在宅減塩の現実解としてK塩置換は実装しやすく、家庭中心のNa摂取者に効果的。

  • 神経領域では、ICHは“迅速に130台へ+変動最小化”EVT後は下げ過ぎ有害の明確化。

  • 妊娠では迅速降圧・慢性管理・低用量ASAが一本化され、母児転帰に直結。

  • RDNは“魔法の弾丸”ではないが、選択肢としての位置づけが制度的に整備された。

  • 入院中の無症候性高血圧は**“触り過ぎない”**が安全。

個人的な感想

  • 基本的な治療としては日本の高血圧学会の目標値である130/80の降圧基準と同じ
  • 140/90ですぐに薬物療法というのはなかなかハードルが高い
  • K塩置換がかなり推奨されている。我が国でも導入が勧められそう
  • 妊娠高血圧でアスピリンを推奨なのか・・・
  • 某週刊誌等で130/80にするのはわが国だけで海外ではもっと緩いというのは全くの出鱈目であることが改めて確認
  • わが国のガイドラインであってもアメリカのガイドラインであっても、目の前の患者さんに合わせた治療が重要であるということを肝に銘じたい
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME