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新型コロナワクチン予約の憂鬱①

[2021.07.12]

新型コロナワクチンのワクチン供給が十分でなく予約の件では皆様に大変ご迷惑をおかけしております。最近では同様の問題が全国的に起きていることがメディアでも取り上げられており皆様も状況をご存じの方もいらっしゃるかと思います。

ここ2週間ほどは正直言ってワクチン予約のことばかりに気を取られてしまっている状況です。あまりネガティブなことばかり書いても楽しくはないのですが、われわれ(私)の状況と考えについて述べたいと思っています。

このブログは特定の人たちを非難するものではありませんし、ワクチンの効果については言及しませんのでその点につきましてはご了承ください。

ご存じの通り、新型コロナワクチンは2月より医療従事者を対象として接種が開始されています。その後高齢者基礎疾患へと接種が拡大されています。当初は3月頃と言われた医療従事者の接種ですが、われわれクリニックのスタッフは4月と5月に接種を受けております。

まずは当院(東京都中央区)の状況についてお伝えします。

当クリニックではワクチン接種は地域医療貢献の点から年度当初より希望しておりました。
しかしながら行政からの連絡はその後一切ありませんでした。

5月中旬になって突然中央区のいくつかの医療機関で開始されるとの連絡がありましたが当院は該当しませんでした。当院がいつから開始になるのか問い合わせをしましたが答えはなく、その後6月に入ってさらに医療機関を拡張するとの連絡がありました。急な連絡ですぐに予約開始してワクチンが納入されるとのことで、予約開始を案内してしまうと電話が鳴り止まずに大変なことになると考えて、当院は6月14日からの予約開始・6月21日以降の接種開始といたしました。

中央区の場合、個別接種を開始するにあたって、予約は医療機関側で取るように言われたため、予約用の別回線の電話を引きました。
(クリニックの電話にかけられると回線がふさがってしまうため、一般の問い合わせに応じられなくなります。)
また、以前より導入しているWEB予約にワクチン予約の枠を作りました。電話だけで対応すると人が取られてしまうので、ネットが使える人はそちらのほうがいいと考えました。
新型コロナワクチン専用の予約システムについても検討しましたが、予約システムが非常に高額でしたし、ワクチンがいったいどれくらい入荷されるか分からないので契約しませんでした。
また、専用の予約システムであってもすべて自動でやってくれるわけではないようで、在庫管理はだいたい自分でやらなくてはいけない印象でした。

予約を開始したところ、当初はボチボチと入る程度でしたが、6/20頃から突然WEBでの予約が多くなり、6/22頃にはすぐいっぱいになりました。WEBのほうは、予約してはキャンセルする人もいましたが、その空いた枠にすぐに入るようになりました。

接種を開始(6/22)してすぐにワクチンが不足するかもしれないと中央区から連絡がありました。その後、6/25に中央区保健所から正式に説明会があり、その説明会を聞いてワクチン不足がはっきりしたため新たに予約を受けることを中止しました。
その後も予約の問い合わせは多く、6/28の週からは電話がなり続けている状況で、スタッフも疲労困憊です。電話は平日10時~13時としていますが、それとは関係なく電話がなりつづけています。また、専用電話とは関係なくクリニックの電話にも電話がかかってきてしまいます。

当院では受付事務が1名か2名で対応しています。1名が電話に取られると、院内の仕事ができなくなります。

中央区ではすでに16歳以上の人全員に接種券を配布しています。しかし、本来であれば基礎疾患の有無、年齢によって受付開始と接種開始時期が異なります。それを理解している住民であればいいのですが、接種券を配られる=接種可能と考えている人たちいらっしゃって、電話やWEBで予約をしてきます。電話であればお伝えすることも可能ですが、WEBではそれを確認する術がありません。対象外と思われる方の予約が相次いだため、対象外と思われる方には電話やメールをして確認して対象外の人にはキャンセルしていただいています。これもかなり手間がかかっています。
こういったことが続き、WEBで対象者を見極めることは困難と考えて、今後は電話だけで予約を取る予定です。しかし以前から導入しているWEB予約では、ワクチン枠と勘違いして一般診療枠に予約を入れて「ワクチン希望」などとコメントを入れてきます。こういった人や全くコメントをせずに当日に「ワクチン接種に来た」と来る人もいて、初診で予約を入れた方でワクチン希望と書いていたり、予約目的が不明な方には電話したりして受診目的を確認しています。

このワクチンは3週間後に2回目をうつというのが決まりになっていて多くの方は、3週間目の同じ時間に予約を取ることに理解がありますが、中にはどうしても3週間後にできないという人がいます。または、別の場所で予約を取っている人もいるのです。その方たちには柔軟に対応しようと思っていたのですが、ワクチンに限りがある現状ではそれは不可能だと思います。

このワクチンは1バイアルで6人分のワクチンを接種することになっています。例えばある人が7/1に1回目の接種した場合、7/22に接種するのが基本となります。その方が7/22に接種できないから7/23に接種するとします。すると、7/2に接種した一人が7/23に接種できなくなってしまいます。このような個人の事情を考慮すると予約を取ることが非常に困難となります(事実上不可能となります)。よって、当院では3週間後に接種できない方は、2回目はキャンセルしていただくか、そもそも1回目もキャンセルしていただいています。

このようなことが生じるのはこのワクチンが(1)3週間後に2回目を打たなければいけないこと(2)1バイアルで6人分であるということ、(3)使用期限が冷蔵で1か月と短い(そもそも今供給されているワクチンは9/30が使用期限になっています)という3点があるためです。

以上グダグダと書いておりますが、長文になりましたので新型コロナワクチン予約の憂鬱②へ続きたいと思います。

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