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睡眠時無呼吸症候群とは

[2025.04.25]

〜深い眠りを妨げる“見えない呼吸の障害”〜

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まったり(無呼吸)、浅くなったり(低呼吸)する疾患です。無呼吸が1回10秒以上続き、それが一晩に何十回も繰り返されることがあります。
この状態が続くと、日中の眠気や集中力低下、生活の質の低下だけでなく、高血圧や糖尿病などの病気の背景になることもあります。

主な症状

以下のような症状がある方は、SASの可能性があります。

日中の症状 睡眠中・起床時の症状
強い眠気 いびき
集中力・記憶力の低下 呼吸が止まっていると指摘される
倦怠感、気分の落ち込み 頻繁に目が覚める
居眠り運転や仕事中の居眠り 起床時の頭痛、口の乾き
作業効率の低下 夜間頻尿

診断の流れ

睡眠時無呼吸症候群の診断には、問診と検査の両方が重要です。

問診で確認すること

  • 睡眠時間と質(浅い、よく目が覚めるなど)

  • いびきの有無(家族からの情報も重要)

  • 日中の眠気の程度(Epworth眠気尺度など)

  • 既往歴(高血圧、糖尿病、心臓病など)

診断基準の一例(AHI:無呼吸低呼吸指数)

AHI(1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数) 重症度
5〜15回 軽症
15〜30回 中等症
30回以上 重症

検査方法

当院では、患者さんの状況に応じて、簡易検査と精密検査を行っています。

検査名 内容 特徴
簡易検査(自宅) 指先の酸素濃度、いびき、呼吸パターンを記録 初診・スクリーニングに最適。自宅で簡単に実施できます。
ポリソムノグラフィー(PSG) 脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸、酸素飽和度などを多項目同時記録 正確な診断が可能。当院では入院不要、自宅で機器を装着する在宅PSGにも対応しています。

治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療は、症状の程度や原因、患者さんのライフスタイルに合わせて選択されます。

治療法 内容 適応・効果
CPAP療法(シーパップ) 鼻マスクから空気を送り、気道の閉塞を防ぐ 中等症〜重症のOSAに第一選択。眠気や血圧の改善効果が高い。
マウスピース療法(口腔内装置) 就寝時に下顎を前方に出す装置を装着し、気道を広げる 軽症〜中等症の方、CPAPが合わない方に有効。歯科連携が必要。
減量・生活習慣改善 食事指導、運動、禁煙・禁酒 肥満や飲酒が影響するOSAでは、体重減少が根本改善につながることも。
外科的治療 扁桃腺摘出、鼻中隔矯正、舌根形成術など 特定の解剖学的要因がある場合に検討されます。

当院の検査・治療の特徴

  • 自宅でできる簡易検査・在宅PSGを完備

  • 循環器内科医による総合的な評価

  • 必要に応じて、生活指導・口腔内装置・CPAP導入までサポート

まずは「いびき」や「眠気」の自覚から

「ただのいびき」や「年のせいの疲れ」と思っていた症状が、実は睡眠時無呼吸症候群だったということは少なくありません。
SASを放置していると、高血圧、糖尿病、心臓病などのリスクが高まります。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

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