エジプト旅行記 その3
さていよいよアブシンベル神殿へ移動です。
アブシンベル神殿は、エジプト南部にある神殿で、ラムセス2世が建造した岩窟神殿です。神殿は大神殿と小神殿からなり、大神殿は太陽神ラーとラムセス2世を小神殿は女神ハトホルと王妃ネフェルタリを祭ったものです。
1960年代に、ナイル川のアスワン・ハイ・ダムの建設により水没の危機にありましたがユネスコによって救済活動が行われました。この神殿はいくつものブロックに分割されて、約60m上方、ナイル川から210m離れた丘へ、コンクリート製のドームを基盤とする形で移築されました。現在ではアスワン・ハイ・ダムの建設によってできた人造湖のナセル湖のほとりにたたずんでいます。
アブシンベル大神殿の正面の像はいずれもラムセス2世で、右側から順に若いころから年をとった姿を模しています。むかって左から2体目の完成の数年後に起きた地震によって、その頭部が足元に転がっています。移転の際にも全く同じように転がった状態で再現されているそうです。(↓参照)
アブシンベル神殿は長いことその存在が忘れ去られていましたが、1813年にスイス生まれのヨハン・ルードヴィッヒ・ブルクハルトが砂に埋もれたアブシンベル神殿の上部分を発見しました。その後話を聞いたベルツォーニが埋もれた砂を運び出し神殿の入り口を発見しその素晴らしい壁画を見ることができるようになりました。
こちらは砂に埋もれたアブシンベル神殿の絵。デビット・ロバーツの素晴らしい絵画
こちらは神殿内の至聖所です。向かって右から、ラー・ホルクアクティ神、ラムセス2世、アメン・ラー神、プタハ神。年に2回朝日の光が差し込んで、冥界の神であるプタハ神以外の3体の像に当たるようになっています。この2日はラムセス2世の誕生日と即位日と言われていますが実際には不明とのことです。
アブシンベル神殿は初日は夕方にでかけて、その時はあまり人がいなかったのですが、翌朝に朝日と一緒にみるために出掛けた際には、観光客が沢山いました。どうやらスペインからの観光客でクルーズ船で近くに着いて、観光するそうです。
アブシンベル神殿を後にして、アスワン・ハイ・ダムに行き、その後は香辛料のお店によってから、この日はクルーズ船へ乗船です。