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長引く咳

[2019.09.13]

長引く咳で当院を受診される方は結構多いです。「早くなんとかして下さい」とおっしゃる方も多く私としてもなんとかしたいところですが実際問題としてある程度長く症状が続く方もいらっしゃいます。咳の原因としては以下がよく知られています。

感染後咳嗽、気管支喘息、咳喘息、アトピー性咳嗽、肺癌、肺結核、マイコプラズマ肺炎、百日咳、クラミジア肺炎、心不全、逆流性食道炎、薬剤性

 

これらを1回の診察で全て診断するのはなかなか難しいことだと思っています。まずは病歴が大事です。最近風邪をひいた、鼻が出る、熱があるなどは感染性咳嗽を疑う症状ですが3週間たっても咳だけが残る場合はやはり別の病態を考えなければなりません。咳だけが出る、ヒューヒューするなどは咳喘息を疑います。咳喘息とアトピー性喘息は症状は似ていますが、咳喘息は気管支喘息に移行しやすいと言われていますが、アトピー性喘息は気管支喘息になることはありません。長引く咳で「コンコン」という特徴的な咳をするのは百日咳です。特に息を吸うときに「ヒュー」という音がするのが特徴です。百日咳やクラミジア肺炎は臨床症状だけで確定診断はなかなか難しいのですが、治療には抗生剤が必要ですので咳が長引くときは血液検査が必要な時もあります。

また、やはり見逃してならないのは肺癌や肺結核です。ある程度高齢になると肺癌の可能性もありますので長引く咳のときは一度胸部レントゲンを撮影することをお勧めしています。

私は循環器が専門ですが、実は心不全も咳で発症することがよくあります。夜横になると咳が出て苦しくなるという症状は気管支喘息と全く同じような症状で、吸入薬やステロイドを山のように出された挙句に調子悪く救急外来に運ばれてくるということを何度も何度も経験しています。胸部レントゲンをとれば心不全ですと心臓が大きくなっていますのですぐに分かります。

逆流性食道炎も咳を起こす疾患としてしばしば経験します。朝方咳で目覚めるのが特徴的で胃酸を抑える薬で症状が劇的に改善します。

長引く咳については今後ホームページにまとめたいと思っています。

最後に、感染性咳嗽でも2週間くらいの内服が目安ですので、「なかなか良くならないんですけど」と言わずにきちんと薬を服用してください。

 

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