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5年目を迎えて(クリニック通信6月号から)

[2023.06.09]

5年目を迎えて

梅雨のシーズンに突入しました。皆さいかがお過ごしでしょうか?当院は2019年6月に開院しましたので、この6月で5年目に入ったところです。これからもさらなる良いクリニックを目指して精進して参ります。今回はクリニック通信の内容を院長ブログとしてお送りいたします。

嫌われる勇気

少し前になりますが娘が学校の推薦図書ということで「嫌われる勇気」という本を読んでおりました。なんでも大ベストセラーだということで私から借りて読んでみましたが、確かにとても面白い本でした。ご存知の方も多いかもしれませんが、皆さんにご紹介したいと思います。
この本は哲学者でカウンセラーの岸見一郎さんがライターの古賀史健さんとともにアルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」を分かりやすく紹介した本です。アドラーは19世紀終わりから20世紀初めにかけて活躍したオーストリアの精神科医、精神分析学者、心理学者で、ちょうど同じ時代に活躍したユング、フロイトと並んで心理学の三大巨匠と呼ばれているそうです。
「嫌われる勇気」ではアドラー心理学を教える哲学者と自己肯定感が低く、自分に自信を持てない青年との対話という形式でアドラー心理学のエッセンスを伝えています。本書で示している重要なポイントはいくつかあるのですが、印象に残った4つをあげます。

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アルフレッド・アドラー(Alfred Adler、ドイツ語発音: [alfreːt aːdlɐ] アルフレート・アードラー、1870年2月7日 - 1937年5月28日)

嫌われる勇気 4つのポイント

1. 「原因論の否定 すべては目的論」
アドラーはすべての行動は過去の原因によって起こるのではなく、目的のために行動した結果だとしています。例えば、過去に学校や職場でいじめを受けた人が外に出られなくなっていたとしても、外へ出られなくなっているのはそのいじめが原因ではなく、外に出たくないために本人が不安や恐怖を自分で無意識のうちに作り出しているというものです。
2.「他者の課題を切り捨てる」
自分がコントロールできることは一生懸命やるが、コントロールできないことは考える必要はない、ということです。例えば会社員の方が一生懸命自分の仕事をすることはできても、上司からの評価の良し悪しについて悩んだり、考えたりするのは意味がないということです。
3.「承認欲求を捨てる」
自分の課題と他人の課題を分離して「承認欲求を捨て」なければならないということです。承認欲求を求めると誰かに「すごいね」と褒められることを求めて他人の課題に囚われてしまう人生になってしまいます。
4.「いま、ここ」を真剣に生きる
我々は人生を旅に例えて過去―現在―未来は「線」で繋がっている、何か目的をもって生きていると思いがちです。しかし人生は「いま」という「点」が連なってできていて、過去にどんなことがあったか、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではありません。「いま、ここ」を真剣に生きることが最も大切なことだということです。

是非お読みください

いかがでしょうか?とくに1の「原因論の否定 すべては目的論」というのはなかなかすぐには納得しづらいことですが、挙げられた例をみるとなるほどとうなずけるところもあります。2~4に関しては皆さんも大いに共感できるところでしょう。
アドラー心理学は、「勇気と希望の心理学」と呼ばれることもあり、ユング・フロイトとは印象はかなり異なります。興味を持たれた方は是非、本書をお読みください。

さて、アドラー心理学では自由なる人生の大きな指針として「導きの星」というものを挙げています。旅人が北極星を頼りに旅行するように、我々の人生にも「導きの星」が必要になる。この指針さえ見失わなければその方向に幸福があるのだという考えです。アドラーの言うその星こそは、「他者貢献」であり、「他者のために貢献するのだ」という星の元であれば迷うことはないし、「いま、ここ」で真剣に生きることができるといっています。

Amazon.co.jp: 嫌われる勇気 eBook : 岸見 一郎, 古賀 史健: Japanese Books

当院の4Sについて

ところで、当院も5年目を迎え、「導きの星」となるべく行動指針というものを策定いたしました。名付けて「さいとう内科・循環器クリニックの4S」です。

Smart・・・ 当院ではWEB予約、WEB問診、カード決済システム等のスマートな医療サービスを提供することにより、患者様やスタッフにとって利便性の高いクリニックを目指します
Sympathy & Empathy ・・・「思いやりと共感」はより良い医療を提供のために不可欠です
Sincerity・・・いかなるときも誠実に患者様に接します
Smile・・・いつも笑顔で接します

実は開業前から「クリニックの理念」をどうするかということは関係者からよく聞かれました。しかし自分としては「理念」というと何となく会社経営のような響きを感じて抵抗感がありました。先日、ある方から「クリニックの理念」についてあらためて質問されました。開業して4年を経て、日々の診療で私やスタッフが大事にしていることが段々とはっきりしてきたように思います。そのような訳で今回、「さいとう内科・循環器クリニック4S」を決めました。いつもこの行動原則に立ち返りながら、この先も診療にあたっていきたいと考えています。皆さま、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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