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院長ブログ

自動車免許更新へ行って思ったこと(歩車分離式信号機について)(2022.05.27更新)

先日、自動車免許の更新へ行ってまいりました。もう20年近く車の運転をしていませんのでゴールド免許で、優良運転者講習(30分)を受けるだけですのでそれほど大変ではありません。

今回講習をうけて実は以前より導入してほしいと思っている交通ルール?を思い出しました。

歩車分離式信号機とは

それは「歩車分離式信号機」のことです。「歩車分離式信号機」とは交差点などで歩行者が横断する場合は車は横切らないように(車が通過する場合は歩行者が横切らないように)、歩行者と車の信号のタイミングを分離している信号機です。一番わかりやすいのは渋谷のスクランブル交差点でしょう。

講習中に配られた資料によると、令和3年度の都内の交通事故による死者数は133名で戦後最小だそうです。死亡の中で一番多いのは歩行中の事故で約半数(63名)で、そのうち3分の1(22名)は違反なしで亡くなっていることが分かります。個別の事故がどのように起きたかは分かりませんが、青信号を横断中に左折・右折の車に巻き込まれた事故もあったであろうと考えます。このような左折・右折時の巻き込みによる交通事故は「歩車分離式信号機」で減らせる可能性があります。

2002年に警察庁が全国100カ所の交差点を抽出して歩車分離式信号を調査した結果、人身事故が約4割減少し、このうち人対車両の事故は約7割減少したという報告をしています。
この報告では「歩車分離式信号機」のデメリットとしてしばしばあげられている、渋滞も2%減らすことができたようです。

小学1年生が事故に巻き込まれる

実は歩行者の交通事故は7歳がピークと言われています。これは、小学1年生になり一人で登下校したりすることが多くなり、事故にあうと言われています。「子供は飛び出すから」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実態はそうではありません。青信号で渡っている時に、体が小さいために右折車や左折車に見落とされてはねられて亡くなるのです。

「右折車や左折車に見落とされて」というのは実は日常的にもありうることです。私の子供が小さい時、妻と一緒に横断歩道を渡っていたときに、大型トラックが気が付かずに左折してきて巻き込まれそうになり悲鳴をあげたことがあります。その交差点は車が気がつきにくい構造のように思えたので、その後はその横断歩道は渡らないようにしています。

それ以外にも我が家の近くには比較的大きな交差点があり、そこが子供たちの通学路となっていたため、子供が小学校の登校中はその交差点を渡るまでは必ず一緒についていきました。それは青信号であっても交通事故に巻き込まれる可能性があると思っていたからでです。

今回の講習会で流れたビデオでは最後に交通事故の被害者の方のコメントがありました。
この方は、我が子を学校からの帰宅途中の交差点を横断している時に右折してきたトラックにひかれて亡くしたそうです。子供を亡くした交差点を指差ししながら説明する姿は、同じ親として心が裂けるような気持になりました。そのお母様は「よく注意してほしい」とおっしゃっていました。その言葉はまったくその通りだと思うのですが、「よく注意する」だけでは交通事故はなくならないと思っています。

「よく注意するように」はルールではない

実は「非分離式信号機」での右折・左折の際には横断者を「よく注意して」運転するというのが唯一のルールであると思います。「よく注意して」事故は減らせるかもしれませんが、完全になくすことはできません。
今月のクリニック通信では「失敗の科学」ということで自分の考えを書きましたが、「よく注意しましょう」というルールは実際には全く効果がないのです。

ランドセルを背負った小学1年生の子供たちが、青信号を渡っている時に事故にあうという悲劇をなくすためには、「歩車分離式信号機」を導入することが最も有効であると考えます。

「歩車分離式信号機」は特別な信号機ではありません。タイミングを操作すればその日から可能となる方式であると思います。日本では現在信号機のたった4%しか「歩車分離式信号機」が導入されていないようです。はやく信号機のあるすべての交差点に「歩車分離式信号機」が導入されることを願っています。

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