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若い女性に多い手足の浮腫み 好酸球性血管性浮腫について

[2024.01.28]

好酸球性血管浮腫とは

当院は循環器を専門とするために足の浮腫みで受診する方が比較的多いです。この中で10~40代の比較的若い女性でしばしばみられる疾患に「好酸球性血管性浮腫(Angioedema with eosinophilia)」があります。

好酸球性血管性浮腫は1984年にGleichらによって初めて報告された疾患で、突然の手足の浮腫み(とくに下肢が多い)と強い掻痒感、血液検査では好酸球増加を認める疾患で、発熱や関節痛などは通常は認めません。

機序について

好酸球性血管性浮腫の原因は不明ですが、発症機序として好酸球の皮膚浸潤と好酸球からのleukotriene C4 (LTC4)やmajor basic protein (MBP) 放出によって刺激された肥満細胞からのヒスタミンが血管透過性を亢進させて血管性浮腫を引き起こしていると考えられています。

治療について

治療としてはステロイドを投与することもありますが、自然軽快をするものも多く予後は良好です。再燃を認めるEpisodic angioedema with eosinophilia ; EAEと再燃を認めないNon-episodic angioedema with eosinophilia ; NEAEものがあります。

診断について

診断として白血球増加、好酸球増加、血清IgM高値、LDH値上昇、体重増加などがあげられ、他の血管や皮膚以外の症状がないことが診断の決め手になります。

若い女性で手足の浮腫み、激しい痒みがあるかたは好酸球性血管性浮腫を考えてみてはいかがでしょうか?

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