フェルメールと17世紀オランダ絵画展
以前のクリニック通信でお話ししたフェルメールと17世紀オランダ絵画展に先日行ってきました。
展覧会についてはこちらをご覧ください。
展覧会で感じたことをいくつか
まずは観覧が日時指定予約制だというと点が良かった。コロナ禍で密をさけるため、予約制をとることが多いですね。以前は前売り券を購入したとしても基本的には受付順であることが多く、入場するまで長い列が出来ていることもしばしばありました。そうなると時間がよめませんのでなかなか行く気になりません。今回休日に時間ができたので、思い立って予約を取り行ってきました。待ち時間がありませんし、会場の中もそれほど混雑しておりませんでしたのでじっくり見ることが出来ました。コロナが収束しても予約制を続けてほしいと思っています。
肝心の「窓辺で手紙を読む女」についてですが、その修復作業についてビデオ付きの解説があり興味深いものでした。顕微鏡下ですが、カッターみたいなもので少しずつ剝がしていく作業は間違えたら大変なことになると思いますので、緊張する仕事だと思いました。
修復についてはこちらをご参考に。
作品は黒いシンプルな額縁でおおわれていましたが、緑のカーテンのカーテンレールが隠されており、修復前のカーテンレールがある状態が見られなくなっていました。なんとなく画面が狭くなって窮屈そうなイメージになっていました。手前の果物や織物は鮮やかな色彩を取り戻しており、全体に作品が明るくなっているようです。
修復でここまで鮮やかなキューピッドの絵が出てくるとはなかなか想像しがたいですね。
それにしても修復前の壁が塗られたものもとても自然で他人が塗ったとは思えないくらい自然に思えます。例えば左側の赤いカーテンはカーテンレールの上は後世の人が塗ったとのことですが、写真上では色の違いが全く分かりません。
やっぱり修復は間違いでしたとなっても取り返しがつきませんので、そういう意味では思い切ったことをしたなあという印象があります。
4月3日まで東京都美術館で開催されていますので、お時間のある方は是非どうぞ。
また、3月13日(日)9:45~放送『日曜美術館 アートシーン』(NHKEテレ1・東京)にて本展が紹介されるようです。
また、図録を当院に待合に置いてありますのでお時間のある方はご覧ください。